しじみの効果と梅干しとの相乗効果とは?

しじみに含まれるオルニチンが、二日酔いの予防や疲労回復に効果を発揮することはよく知られていることですよね。 これらはオルニチンサイクルという働きによって、体内のアンモニアを解毒してくれることや、肝機能の指標となる数値を下げてくれる効果によるものです。

また、しじみと一緒に摂取するといい食べ物に「梅干し」があります。 梅干しは単体でもあらゆる美容・健康効果を発揮しますが、しじみと一緒に摂ることで、どのような相乗効果があるのでしょうか?

しじみが肝機能を強化する理由

しじみに含まれているビタミンB12や鉄分などは造血作用による貧血予防、カルシウムはイライラを改善し、ビタミンB2は美肌効果があるといわれています。

そして、疲労回復や二日酔いの予防に効果を発揮するしじみの成分がオルニチンです。 オルニチンは体内でアンモニアを解毒する代謝回路の「オルニチンサイクル」を構成するアミノ酸です。

このオルニチンが肝臓のアンモニア解毒機能を高めるので、しじみは肝機能を高めるといわれているのです。

オルニチンサイクルとは?

オルニチンは遊離アミノ酸の一種です。 オルニチンは体の中に取り込まれると、腸から吸収されて、肝臓や腎臓、筋肉に移動していきます。 肝臓にはオルニチンサイクルという経路があります。

私たちはエネルギーを生み出すときに同時に老廃物が出ます。 この老廃物の一つがアンモニアなのですが、オルニチンサイクル(尿路回路)は、アンモニアが過剰に発生したときに、これを無毒化する代謝経路です。

オルニチンサイクルによってアンモニアを無毒な尿素に変換します。 オルニチンは、この尿素を作り出した後に肝臓で再生されて、再び回路を形成するといわれています。 このようにオルニチンサイクルを活発にすることにより、肝臓の機能を保っているのです。

梅干しの美容・健康効果

梅干しは想像するだけで、口の中に唾液があふれてくる感覚に襲われるほど、酸っぱい食べ物という認識があります。 梅干しのこの酸っぱさを作る成分が「クエン酸」と呼ばれるものです。

梅干しの美容効果

梅干し特有の酸っぱさにはアンチエイジングの効果が期待できます。 すっぱいものを食べたときに出る唾液の中には「パロチン」という成分が含まれていて、これは若返りのホルモンと呼ばれているのです。

また、梅干しに含まれる梅ポリフェノールやクエン酸には血流をサラサラにしてくれる効果が期待できます。 そのため血行が良くなることで新陳代謝も活発になり、ダイエット効果にも期待ができます。

梅干しの健康効果

梅干しには糖質を吸収する酵素(α-グルコシダーゼ)を抑制する働きがあります。 このため、糖質の吸収を抑えてくれるので、急激な血糖値の上昇を抑える効果が期待できます。

クエン酸は、血圧をあげてしまう酵素の働きを抑制します。 血圧が高い人は動脈硬化の恐れがあるので、速やかに血圧を安定させることで、動脈硬化になる可能性を防ぎます。

しじみと梅干の相乗効果とは?

アンチエイジング効果

しじみに含まれるオルニチンは、人の成長に深く関わる成長因子として働く成分「ポリアミン」の元となります。 ポリアミンの数を増やすことで体内細胞の分裂や代謝を促すことができ、アンチエイジング効果が期待できます。

その他、すっぱい梅干しを食べたときに出る唾液には「パロチン」という 若返りホルモンが含まれているため、アンチエイジングに効果を発揮します。

肝機能の活性化

梅干しに含まれる「ピクリン酸」という成分は、肝機能の活性化を促すといわれています。 また、しじみに含まれるタウリンやオルニチンは、肝臓の代謝や解毒をサポートする力があるので、梅干しと共に肝臓の機能を高めてくれる効果が期待できます。

糖尿病予防

梅干しに含まれている「α-グルコシダーゼ」という成分は糖質の吸収を抑えてくれる働きがありますので、血糖値の急激な乱高下を避けることができます。 そしてしじみに含まれるオルニチンは、成長ホルモンの分泌を促すことで、インスリン様成長因子の分泌を促進します。

インスリン様成長因子はインスリンとよく似た働きをするので、血糖値の上昇を抑えてくれる効果があるのです。 そのため糖尿病の予防にも効果が期待できます。

高血圧の予防

しじみに含まれるタウリンは、胆汁酸の分泌を促すことから血液中の脂質を低下させます。 また、神経系に作用してリラックス効果を生み、血圧が上昇するのを防ぎます。

その他梅干しのすっぱい成分でもある「クエン酸」は、血圧を上げる酵素の働きを抑制しますので、タウリンとの相乗効果で血圧安定に効果が期待できます。

ダイエット効果

梅干しに含まれているクエン酸と梅ポリフェノールには、血液をさらさらにして血行をよくする効果が期待できます。

また、私たちの体は成長ホルモンが減少すると新陳代謝が悪くなって脂肪が燃えにくくなってしまいます。 しじみに含まれるオルニチンは、成長ホルモンの分泌を促す働きがありますので、ダイエットに効果を発揮するのです。

しじみと梅干を使った簡単メニュー

しじみと梅干を一緒に摂る、というとシジミ汁に梅干しを浮かべる方法を思い浮かべる方も多いでしょう。 ここではしじみのだしを活かした美味しいうどんのメニューをご紹介します。

材料

  • 砂抜きしたしじみ  100g
  • 梅干し  1個
  • 冷凍うどん  1玉
  • 塩  少々
  • ネギや水菜などお好きな野菜  適宜

作り方

下準備

トッピングに使う水菜は5cm幅に、ネギなら斜め切りにしておく。 梅干しは種を取って4等分くらいに切っておく(種は捨てないでとっておく)しじみはよく洗っておく。

  1. 鍋に300mlほどの水としじみ、梅干しの種を入れてふたを閉める
  2. 中火にかけて2~3分ほど煮る。しじみの殻が開いたらトッピングの野菜を乗せ1分煮る。塩で味付けをする。
  3. 冷凍うどんは別の鍋でゆでるか電子レンジで加熱し、器に盛る
  4. うどんの盛られた器に2をかけて、仕上げに梅干しの果肉を散らして出来上がり

作る上での注意点

うどんは塩で味付けをしますが、梅干し自体に塩気があるので、時々味見しながら味を調えてください。

まとめ

しじみも梅干しもそれぞれにいろいろな健康効果がありますが、どちらにも、肝機能を強化する効果が期待でき、疲労回復や二日酔いの予防に効果を発揮することがわかりました。

しじみが体にいいといっても、いつもしじみのおみそ汁などの同じメニューでは飽きてしまうというときには、肝臓の機能を高める効果を持つ梅干しを一緒にとって、さらなる相乗効果を狙ってみるのもいいですね。