肝臓によいしじみ!食べ過ぎによる弊害や摂取制限はあるの?

しじみといえば昔から、しじみ汁を飲むことで疲労回復や、二日酔いに効果を発揮することがよく知られています。 しじみに含まれるオルニチンなどは肝機能を強化することでも有名ですよね。

そのため、お酒を飲む方などはしじみ汁を できるだけ毎日飲むようにしよう、しじみのサプリメントなどでしっかり摂るようにしようと考える方も多いかもしれません。

しかし、しじみも食べ過ぎると意外な弊害があるのです。 そこで今回は、肝臓によいといわれるしじみの摂取制限についてご紹介していきます。

しじみに含まれる重要な栄養素とは?

疲労回復や二日酔いに効果が期待できるといわれているしじみには、さまざまな栄養素が含まれています。 そのうちもっとも代表的なものはオルニチンでしょう。

しじみが二日酔いに効果が高く、肝臓機能を向上させるといわれるのも、オルニチンの働きによるところが大きいのです。

その他にも、ビタミンB群や亜鉛、鉄分、タウリン、カルシウムなどが豊富に含まれています。 ビタミンB群は造血に欠かせない成分であり、鉄分は血液の赤血球を構成するミネラルの一種で、どちらも血液を作り出し貧血予防に効果が期待できます。

このように栄養豊富なしじみなのですが、摂りすぎることで弊害が出てしまう栄養素があるのです。 それが鉄分です。

しじみの鉄分含有量に注意

鉄はミネラル分の一種で、血液の赤血球を構成している成分です。 赤血球の中のヘモグロビンに存在して、体中に新鮮な酸素を運ぶ働きがあります。 このことからも、鉄分といえば一般的には貧血予防に効果があることがよく知られています。

しじみには100g当たり5.3mgの鉄分が含まれています。 同じ貝類でも、あさりの鉄分は3.8mg、ホッキ貝が4.4mg、トリガイが2.9mg、ハマグリが2.1mgと、貝類の中ではしじみがもっとも鉄分が多いとされています。

私たちが一日に必要な鉄分の摂取量は、男性で7mgほど、女性で10mgほどといわれています。 また、肝臓の疾患を患っている場合、一日6mg以下の摂取量を守る必要があります。

しじみの摂取制限をしないとならない場合

しじみに含まれるオルニチンは、肝臓の機能を向上させることがよく知られていますが、しじみに含まれる鉄分は、肝臓の疾患(C型肝炎、脂肪肝、慢性肝炎、肝硬変など)を患っている場合は、しじみの摂取量を控えないとなりません。

肝臓の機能を向上させるはずのしじみなのに、肝臓に弊害が出るなんて変だと思われるでしょう。 私たちは通常、肝臓には鉄分を蓄えておくことができます。

しかし、肝臓の疾患を患っている人は、肝臓に鉄分を過剰に蓄えやすくなっているため、しじみをたくさん食べてしまうことで、過剰な鉄分を蓄積してしまうことになるのです。

鉄分の過剰摂取で何が起こるのか?

肝臓に疾患を患っている人が、たくさんの鉄分を摂り過ぎてしまうと、増えすぎた鉄分が活性酸素を大量に発生させ、肝細胞を傷つけるといわれています。

肝臓の疾患を患っている人は、活性酸素を抑制するための抗酸化物質が少ないために、ダメージを受けやすいのです。

しじみの鉄分を過剰に摂りすぎないための方法

肝臓病の方や、肝臓病の疑いがある方の場合も、基本的にしじみをたくさん食べないようにするべきですが、摂取する際にもコツを知っておけば、上手にしじみを摂り入れることができます。 しじみを摂り入れる際に気をつけたいことは2つあります。

紅茶や緑茶などタンニンが多く含まれるものを一緒に摂る

タンニンは、鉄分の吸収を阻害する働きがあるため、食事の後には紅茶や緑茶などを一緒に飲むようにするといいでしょう。

ビタミンCを一緒に摂るのは気をつける

みかんやオレンジなどの柑橘類、キウイやいちごなどの果物やクエン酸などは、鉄分の吸収を促進する働きがあるので、しじみと一緒に摂るのは避け、別に食べるようにしましょう。

まとめ

日頃から疲れが溜まっている方やお酒をたくさん飲む方などは、しじみ汁を飲むと肝臓の働きにいいということは、よく知っていることでしょう。 しかし、どんなに肝臓のためにいいからといっても、肝臓に疾患を患っている方がしじみをたくさん食べ過ぎたり、しじみのサプリを過剰摂取したりすると、逆に肝細胞を傷つけてしまう恐れがあるので注意が必要です。

だからといってしじみを全く食べてはいけないというわけではなく、1日当たり6mg以下の摂取量であれば大丈夫なので、食べ方に気をつけて上手に摂り入れていくようにしましょう。

また、肝機能障害の疑いが特にない人は、この摂取制限をシビアに考える必要はありません。 日頃からしじみを摂り入れることで、肝機能を高めて、肝機能障害を予防する効果があります。