しじみとわかめのお味噌汁には相乗効果はあるの?

しじみが栄養ばっちりで体に良いとわかっていても、しじみだけで全ての栄養素が揃っているわけではありません。

しじみに含まれるオルニチンはしっかり摂れても、これだけでは補いきれない栄養素があるのです。 そこでわかめの出番です。 しじみの味噌汁や炊き込みごはんなどにわかめをプラスすることで、相乗効果が生まれます。

そこで今回は、しじみとわかめの栄養素と、一緒に摂ることで一体どんな相乗効果があるのかをご紹介していきます。

しじみに含まれる栄養素

オルニチン

しじみに含まれる栄養素として有名なものに、オルニチンがあります。 オルニチンはアミノ酸の中でも「遊離アミノ酸」と呼ばれるものの一種で、しじみには私たちに必要な必須アミノ酸がバランスよく含まれています。

主な効能は、体内でオルニチンサイクルを形成することによるアンモニアの解毒、肝臓の働きを助けて肝機能を強化し、疲労回復や二日酔い予防などが期待できます。

ビタミンB12・鉄分

ビタミンB12は赤いビタミンと呼ばれていて、鉄分の吸収を促し血液を作る働きとして欠かせないものです。 鉄分も血液を構成するために必要な成分のため、主な効能として悪性の貧血を予防などが期待できます。

タウリン

タウリンと聞いて思い浮かべるものは、「タウリン●●mg配合」などと書かれている栄養ドリンクなどではないでしょうか。 それだけタウリンはオルニチンと並んで疲労回復に効果を発揮するといわれています。

その他の効能としては血圧のコントロールが挙げられます。 血圧の数値を調整することで、高血圧のリスクを軽減させる効果が期待できます。

カルシウム

カルシウムは丈夫な歯や骨を作るのに役立ちます。 骨粗鬆症の予防はもちろんのこと、イライラを沈めるなどの精神作用にも効果が期待できます。

しじみに含まれるカルシウムは貝類の中でトップクラスといわれていて、牛乳のカルシウムとほぼ同じくらいです。

亜鉛

亜鉛は私たちの体の新陳代謝に深く関わりがあり、強い抗酸化作用があることから、体を錆びさせてしまう活性酸素を除去する働きがあります。 そして免疫力もアップするため、風邪を引きにくくなり、カルシウム同様にイライラを沈める精神的な効果も期待できます。

このことからも、亜鉛が不足してしまうとイライラなどの精神的不安が起こり、味覚障害なども起こしやすいので注意が必要です。

わかめに含まれる栄養素

ヨウ素

海藻類にはヨウ素が含まれていますが、このうちもっとも多く含まれているのは昆布で、次いでわかめとなります。 ヨウ素とはミネラルの一つで、甲状腺ホルモンの成分となります。

甲状腺ホルモンは交感神経を刺激する働きがあることから、代謝を促す効果が期待できます。 そのため、ヨウ素が不足してしまうと甲状腺機能に影響を及ぼす恐れがあります。

カリウム

カリウムはミネラルに分類される栄養素の一つで、体内で水分の調整を行う働きがあります。 体内に溜まってしまったナトリウムを排出する働きがあることから、高血圧の予防やむくみの解消に効果を発揮します。

マグネシウム

マグネシウムもカリウムと同様に、ミネラルに分類される栄養素の一つです。 丈夫な骨を形成する作用や、体の中に300種類もある酵素の働きを助ける働き(補酵素としての働き)があります。

カルシウム

わかめに含まれるカルシウムは、牛乳よりも豊富です。 丈夫な歯や骨を形成するのに役立つほか、骨粗鬆症の予防にも効果を発揮します。

食物繊維

わかめには、フコダインやアルギン酸など水溶性食物繊維として働く成分が豊富に含まれています。

また、セルロースなどの不溶性食物繊維は、便のカサを増して腸の蠕動運動(ぜんどううんどう)を促す働きがあり、水溶性食物繊維は、便の水分量を調整してスムーズな排便を促す働きがあります。

しじみとわかめを一緒に摂ることでの相乗効果とは?

便秘解消効果

私たちが便秘になると腸内にとどまったたんぱく質の残りカスからアンモニアが多く発生してしまいます。

大量に発生したアンモニアがしっかり排出されない状態だと、体調不良を起こします。 これを解消するのが、わかめの食物繊維です。

食物繊維で便秘を解消することで、便秘によるアンモニアの発生を抑制し、結果としてオルニチンのアンモニア解毒効果を助けます。

むくみの解消

むくみは酷くなると「ネフローゼ」のように体中に水が溜まった状態となり大変危険です。 わかめに含まれるカリウムは、体内の水分量を正常に保つことからむくみの解消に繋がります。

また、しじみに含まれるオルニチンは、肝機能の強化をしてくれるので、肝臓の不調からくるむくみに効果を発揮します。 ただし、塩蔵わかめの場合は、逆にむくみの原因となる塩分の摂りすぎとなりますので、真水を2~3回変えて塩抜きしたものを使いましょう。

また、わかめとしじみの味噌汁を作る場合にも、味噌の使いすぎによる塩分過多に注意してください。 塩分の摂りすぎはかえってむくみの症状をひどくします。

骨粗鬆症の予防

骨の強度や骨密度が低下することで、骨折しやすくなる状態を「骨粗鬆症」と呼びます。 骨粗鬆症は骨がすかすかになってしまうことから起こりますので、しじみとわかめに豊富に含まれているカルシウムを摂取することで、骨密度を高め、丈夫な骨を作る手助けとなります。

イライラを鎮める精神安定効果

しじみに含まれるカルシウムには、脳の伝達機能神経の興奮をおさめ、イライラを鎮める効果が期待できます。 また、わかめに含まれるマグネシウムは、脳や神経の興奮を静めるので、イライラしたときなどの精神安定に効果をもたらします。 カルシウムの効果を高めるには、ビタミンDを一緒に摂るといいでしょう。

疲労回復効果

疲労によるストレスなどは、酷くなると鬱状態を引き起こす恐れがあります。 私たちの体にストレスがかかるとタンパク質が失われます。

そのため、しじみに含まれる豊富なタンパク質と、わかめに含まれるマグネシウムは不安定になった感情を平静に保つ働きがあります。 また、しじみに含まれるオルニチンも肝機能を助け疲労回復に効果を発揮します。

まとめ

しじみの味噌汁というと、しじみだけを使う場合も多いかと思いますが、一緒に入れる具としてわかめを選択することで相乗効果が期待できます。

しじみには含まれていない食物繊維をわかめはたくさん含んでいるので、しじみの味噌汁を飲みながら無理なく食物繊維を摂ることができ、美容や健康のために、さまざまな相乗効果を生みますので、是非一緒に摂るようにしてみましょう。