しじみの種類 ヤマトシジミとは?生息地からおいしい選び方まで!

私たちが何気なく買って食べているしじみですが、日本産のしじみの種類には大きく分けて3種類あります。 ヤマトシジミ、マシジミ、セタシジミです。

このうち、日本国内で一般的に多く流通しているしじみは「ヤマトシジミ」と呼ばれる種類です。 ヤマトシジミはどのような場所で獲れるのか、名前の由来や生息地、特徴や生態など、おいしいしじみの選び方も併せてご紹介していきます。

ヤマトシジミとは?

日本で獲れるしじみの3種類(ヤマトシジミ、マシジミ、セタシジミ)の違いは、それぞれのしじみの生息地が違うところです。 そのうち、ヤマトシジミは私たちがスーパーや魚屋さんで手に入れることのできる、光沢のある黒い色をしたおなじみのしじみです。

日本では1万トン以上が流通していますが、生息地が汚染されやすい水域のため、漁獲量は激減しています。 そのため中国や韓国、ロシアなどからの輸入に頼っているところもあります。

分類と名前の由来

ヤマトシジミの分類は、二枚貝綱マルスダレガイ目しじみ上科で、外国名はJapanese corbiculaです。 しじみの名前の由来は「縮貝(ちぢみがい)」からきていて、貝殻の表面に無数の横じわがあるところや、煮ると身が縮むところからつけられました。

そのうち、ヤマトシジミの名前の由来は大和国(日本)でもっとも一般的なしじみであることからつけられています。

生息地と産地

ヤマトシジミは0.3~1.0%の塩分濃度を好み、塩分濃度0%の淡水や塩分濃度3.3%の海水では生活できないので、海水と真水がぶつかり合う汽水域という、少量の塩分を含んだ水深0.5~4mの砂泥に生息しています。

もっとも有名なヤマトシジミは北海道から九州まで獲ることができますが、その中でも有名な場所が北海道の網走湖、青森県の十三湖、小川原湖、島根県の宍道湖です。

生態

ヤマトシジミは通常、砂泥に潜って生活していて、砂泥の中から水管だけを出して呼吸をしています。 呼吸するのと同時に、水の中を漂っている植物プランクトンを食べています。

オスとメスが別々の雌雄異体であるヤマトシジミは、雌は卵を産み、オスは精子を放出します。 オスとメスの見分け方ですが、殻長10mm位のヤマトシジミはほとんどがオスで、10mmを超える頃になると、オスとメスが1:1の割合になるといわれています。

産卵期は5~8月で、受精卵が孵化するとまずトロコフォアとなり、次いでベリジャー幼生期を経て稚貝になります。 この段階ではヤマトシジミの貝殻表面の色は黄褐色です。 成長するにつれて黒色に変化します。

同じヤマトシジミでも、砂底に棲むものは黄褐色、砂泥に棲むものは黒色になります。 これは泥底に含まれる硫黄と水中の鉄が化合して硫化鉄が作られるためです。 砂底には硫黄が少ないために硫化鉄が作られません。

ヤマトシジミの大きさは、宍道湖の例で、1年で5mm、2年で10mm、3年で15mmの大きさになります。

ヤマトシジミのおいしい選び方

ヤマトシジミは旨味成分としてコハク酸やグルタミン酸が含まれているので、自然の力だけで旨味を増すことのできる自然食品です。

しじみに含まれている成分として有名なオルニチンを始め、ビタミンB12、タウリンや鉄、亜鉛などのミネラルを豊富に含み、肝臓機能を高める効果を持つことから「肝臓の守護神」と呼ばれているほどです。

おいしいしじみを選ぶためには、下記の3つのポイントを押さえて選びましょう。

  • 原産地が明確に表示されているもの
  • 貝殻の表面の色つやが良く、しじみ一つ一つの重みがあること
  • 水に浸けると水管を勢いよく出すもの

まとめ

日本国内で最も漁獲量が多く、私たちが手に入れやすいしじみが「ヤマトシジミ」です。 海水と真水がぶつかり合う汽水域が生息地で、雌雄異体で卵子と精子が受精して、受精卵となった幼生が稚貝へと成長していきます。

初めは黄褐色の稚貝からなじみのある黒色のしじみへと、ゆっくり成長していくヤマトシジミの寿命は10年ほどです。 自然の力で旨味成分の豊富なおいしいヤマトシジミを選ぶコツは、生産地の明確なもの、新鮮で大きなものを選ぶことがポイントです。